タリクシアン

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タリクシアン生物に属する生き物の数例

タリクシアン(Talyxian)とは、惑星タルに生息する生物の分類の一つ。動物型、着生型(植物型)双方を含む。タルの生物相の大多数を占め、自然環境のほとんどがタリクシアン植生の領域に属する。その多くはエルタス生物および地球の生物からは大きくかけ離れた、異質で複雑な姿と生態を持つ。

部分的に無機質な外観を持つものもいるが、これは機械とは異なり、ロボットやサイボーグにはあたらない。

エルタスとは異なる存在と言え、エルタス人の文明においても基本的には区別されている。

概要

タリクシアン植生域の草原~森林地帯、セケン。赤、紫、白、灰色をした着生型の生物が確認出来る。

その様相は複雑かつ多様で、「種」の境界を持つかすらも曖昧である。エルタスでは考えられない程に異なる形態を持つもの同士が繁殖するかのような振る舞いをみせる、環境に応じて全く別の形態に変容する、他のタリクシアン生物の器官を自分の組織として取り込むなど、不定・流動性が強く、エルタス生物の法則性に基づいて分類することは困難。

エルタスや地球の生物と比較した際の特異性を一部取り上げると

  • 生物の多くは無彩色の血液を持ち、一部のものは鮮やかな色の体液を複数種類持っている。
  • 着生生物(植物)エルタス植物のように葉緑素を持たず、緑色の外観を示さない
  • 雌雄以外の性別を持つもの、環境によって性別が変わるものがある
  • 有性生殖や無性生殖にも当てはまらない方法で繁殖するものがある
  • 全く違う外見と生態を持つものが生物的に同一であることがある
  • 一見近類と思えないもの同士でも条件によって繁殖ができることがある
  • エルタスではあまり考えられない植物と動物の「接ぎ木」ができることがある

など。

以上のことから、エルタスの基準でタリクシアンの種の分類を行うことはできないが、赤(肉)灰(皮)黒(神経)白(骨)など、タリクシアン独自の傾向に基づいた種分類および区分が設けられている。

現在のゴールドリング標準分類でタリクシアンに与えられている、固有の「種」の命名は、視覚的・形態的に区別可能な形態に基づいた呼称にとどまる。シーグの呪術師が伝統的に行ってきた命名と分類は、音や空気で区別される一種独特なものだが、表記することが不可能なため、他地方では殆ど使われていない。

また、動物と植物の境界および定義はエルタスや地球の生き物とは大きく異なる。 - タルにおける「植物」とは、タリクシアンやエルタスを問わず、自由移動を行わず着生生活を行うもの(以下着生生物)、生物活動を停止した殻や死骸など、地面から離れた運動を行わない生物あるいはそれに準ずるものがそう見なされる。

植物を含むエルタス生物のほとんどは、大小の差はあれど少なからずタリクシアン性質を示す。また、いくらかのタリクシアン生物もまたエルタス性質を示すことがある。定義上ではタリクシアン・エルタス生物は異なる存在とされているが、この事実から、両者の差異は完全な定義にまでは至ってない。

定義上では原生生物の内に含まれ、発生元などは謎に包まれている。

動物型

 「脚」と見なせる器官または翼などを持ち、地面から離れて自由移動する生物が主にこれに当たる。

共通する特徴として、多くは黒~暗灰色を主とした無彩色の血を持つ。一部のものは白やオレンジ色など、鮮やかな色の体液を複数種類持っている。ドンドコシシブクロなどは赤い筋肉を特徴とするが、血液、内臓、コアは灰色であるなど、筋肉と他の臓器や体液の色は必ずしも一致しないことが多い。

節足動物型、軟体動物型、四足動物型、飛行動物型など多種に及ぶ。現在のゴールドリングでは視覚的・形態的に区別可能な形態に基づいた呼称が「種」の固有名として与えられ、これらが生物研究分野における正式名として登録されている。その一方、民間人が口語で呼ぶ分には鳥と羽虫の区別が無いなど、その地域や個人の感覚に基づいている節が強く、日常生活においてはそこまで厳密に呼び分けられていない。

また、「貝」から派生した生物も多く、馬型の貝ウマ、牛型の貝スイギュウ、山羊型の貝ヤギなどが存在する。

タリクシアン・ストーカーなど一部の生物を除き、基本的に人と意思疎通可能なほどの知性を持たない。

着生型(植物型)

自由移動を行わず着生生活を行うもの、生物活動を停止した殻や死骸など、地面から離れた運動を行わない生物あるいはそれに準ずるものがこう見なされる。

共通する特徴として葉緑素を持たない。色相を基準に、赤、橙、紫などの赤系統、白、灰、黒などの灰系統に大まかに分かれる。青味がかったものも存在するが、緑色のものはエルタス植物との混種を除いて存在しない。

動物のように移動する種、他の生物を能動的に捕食する種や、寄生性など未知の驚異を持つ危険な種の他、安全で加工や鑑賞に適した種など、多種に及ぶ。

北部~東部の植生にある一部の種は、「瘴気」と呼ばれる精神や脳に何らかの作用を及ぼす気体を発することが確認されている。

詳細記事:タリクシアン植生

呼称

「タリクシアン」という言葉はエルタス文化圏においては一般に専門用語や学名のような扱いで、口語で使われる限りではゴールドリング居住のタリクシアン・ストーカーの一部など、ある程度の文明と知性を持ち、人種と見なせるものへの種族名として使う。それ以外の野生生物や家畜に対しては単に「犬」や「馬」など、人々の認識に基づいた呼称を用いる。いずれも文化や人それぞれの基準に依存するため、同一種が地域によって全く異なる名称で呼ばれていることもよくある。

なお、タリクシアン・ルーターに対しては、その存在が認知されている場所では「先生」と呼ばれている。

タリクシアンと塩

塩分を嫌うため、エルタスの文化圏では有害なタリクシアンからの侵害や襲撃に対し、塩を主な対抗・防衛策として用いる。

タリクシアン生物の体に塩分が実際どのように作用しているかは不明。多くは塩分にさらされると弱るか沈静化する。食肉・生活用品として加工される際も、人体に有害な変異性を抑えるために塩で消毒するか、一定期間塩漬けにする過程が踏まれる。

セイルザーンやコルビロウス塩湖周辺など高濃度の塩分が含まれる場所に生息するタリクシアン生物の多くは、穏やかな気質や低い変異性など、エルタスへの害が少ない性質を持っていることが多い。

ひぞみのんぼん

「ひぞみのんぼん」を排泄する瞬間。エピソード2『シーグの暗雲』より。

エルタス人を捕食するなどして、能動的に塩分を摂取したタリクシアン生物が排泄する物体。単に「ひぞみ」や「のんぼん」など、地方によって様々な呼び名を持つ。

ゴムのような硬質の黒い物体で、その中心には塩の結晶がある。捕食したエルタス人の血液に含まれる塩分を取り除くための仕組みではないかと言われている。非常に長い時間をかけてその個体またはコロニーの外部に塊として排泄する。

高濃度の塩分を持つものを摂取した場合は消化せずに丸ごと包む場合もある。エピソード2『シーグの暗雲』に登場するゲドは、バクーから貰った塩袋のお守りのおかげでこの作用を引き起こし、未消化のままひぞみのんぼんとして排出され生還した。

塩の結晶はエルタス文化圏ではまじないに用いられ、ひぞみのんぼんが発見されるとナイフなどで外皮を割って取り出される。

人々との関係

民家に侵入したイタチを撃退しようとするサーガル

エルタス人全種族に共通してタル全土における最大の脅威であるため、各地で特有の対策方法が設けられている。広範囲の地域にわたり撃退だけでなく、狩猟や加工技術を発達させることで産業の中心となっており、そちらの意味でも生活と切り離すことができない。

山岳および砂漠地帯にはあまり多くの生物は見当たらないが、主に森林地帯に潜む生物は非常に凶暴で危険なものが、それも数多く住んでおり、そのまま郊外を歩くのは大変危険で、馬車や牛車などの乗り物、ボディーガードなどの利用が推奨される。観光地や商隊の多く通る地域では需要の多い業務で、地元の生物に詳しい猟師や盗賊番がガイドをかねていることもあり、それほど高価でない値段で雇える。なお、生物に対する対策能力はサーガルが最も優れている。

無害であり比較的扱いやすい種は家畜化され養殖や畜産が行われる他、馬や牛などは乗り物や動力として利用されたり、ハムスターは愛玩動物としても親しまれている。

家畜は多様にあるが、よく知られている家畜(主にウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどに該当する草食動物型の生物)のほとんどは貝類に属する。これらは基本的に大人しく、改良も簡単であるが野生化も早い。肉の品質も良く、使用用途としては乗り物の他、牛乳にあたるものとして貝ウシの分泌液「貝ミルク」の生産が南部の酪農家によって盛んに行われている。タリクシアン生物の例に漏れず、専門家によって一見近い種とは思えないもの同士の交配・改良も行われる。

タリクシアン生物一覧

以下のカテゴリーページも参照

タリクシアン一覧

区分

動物型

植物型

総合記事:タリクシアン植生

食用生物

ギャラリー

余談

名前の由来は「Lynx Cat」のアナグラム。旧タリクシアンことタリクシア族のデザインから分かるように、当初はネコ科動物の要素のみに基づいた種族だった。
新旧のタリクシアンおよびタリクシアのイラストが同時に掲載されていた2009~2011年頃には、「ビロウスの世界ではネコ科の要素を持つ種族は全てタリクシアと呼ばれる」という設定が存在した。勿論その時期の基準は現在廃止されている。


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